およそ日刊「俳句新空間」
-BLOG俳句新空間‐編集による日替詩歌鑑賞
今までの執筆者:竹岡一郎・仮屋賢一・青山茂根・黒岩徳将・今泉礼奈・佐藤りえ・北川美美・依光陽子・大塚凱・宮﨑莉々香・柳本々々・渡邉美保
2016年3月25日金曜日
フシギな短詩9[佐藤文香]/柳本々々
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あいたいしたいやきにくちかくおねがい 佐藤文香 「●恋愛編」と頭に小タイトルが振られているなかの一句。だから〈恋愛〉をめぐる句だ。 難しい句だと思う。でも、その〈難しさ〉〈読みにくさ〉がまずこの〈恋愛〉の俳句では大事だと思うのでその〈難しさ〉から始めてみたい。...
2016年3月18日金曜日
フシギな短詩8[宮本佳世乃]/柳本々々
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桜餅ひとりにひとつづつ心臓 宮本佳世乃 前回は中山奈々さんと〈心臓〉をめぐる話で終わった。奈々さんにとって〈心臓〉は〈どっかにある〉ものだった。 佳世乃さんにとっては、どうか。 それは、「ひとりにひとつづつ」あるものだ。 どうしてこんな〈当たり前〉な...
2016年3月11日金曜日
フシギな短詩7[中山奈々]/柳本々々
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絆創膏外す大きな春の夢 中山奈々 前回は関悦史さんの〈傷〉の句で終わったが、〈傷〉といえば中山奈々さんの一連の俳句には〈傷〉があるとわたしは思う。 たとえば、掲句。「絆創膏」を貼っていたのはもちろんそこに〈傷〉があったからだ。「絆創膏」を「外す」のだから〈傷〉...
2016年3月4日金曜日
フシギな短詩6[関悦史]/柳本々々
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テラベクレルの霾る我が家の瓦礫を食へ 関悦史 「霾(つちふ)る/土降る」は春の季語だ。春風によってもうもうと土やほこりが舞っている。それを〈つちふる〉という。 ところがその季語が、放射性物質の飛散によってリスキーな季語になっている。春を感じることが、どうじに、...
2016年3月3日木曜日
人外句境 35 [芥川竜之介] / 佐藤りえ
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行く春や踊り疲れし蜘蛛男 芥川竜之介 蜘蛛男を字面だけ見ていると昭和の現代っ子はすぐに戦隊物や仮面ナントカなどのテレビ番組の怪人を思い浮かべてしまうかもしれない。そうではなく、ここでいうのは蜘蛛に親しみをこめた尊称での「蜘蛛男」であろう。別な蜘蛛と争った果ての「疲れ」な...
2016年2月29日月曜日
またたくきざはし 10 [関悦史] 竹岡一郎
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人類に空爆のある雑煮かな 関悦史 金、暴力、この二つは古来から「この世の君」即ち悪魔の王国を支える双柱であると、若い頃は思っていた。しかし、つまるところは一本である。本来、金が悪いわけではない。それが暴力という色彩を帯びるとき、人間を容赦なく卑しめる。歴史を繙けば明...
2016年2月28日日曜日
今日のクロイワ35 [小澤實] / 黒岩徳将
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湯豆腐の湯気の猛きが我が顎に 小澤實 顎に湯気が付き、サンタクロースのような髭になった景を想像した。「猛き」と良いながら実際は大した事態でないというギャップがクールである。余談だが、形容詞連体形+(名詞省略)+述語という構造が決まるとかっこいい…とこういう句を見て思う。 ...
2016年2月26日金曜日
フシギな短詩5[石原ユキオ]/柳本々々
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春の昼ひよこまみれになりやすい 石原ユキオ この句が収められた連作のタイトル「ルッカリー」とはそもそもペンギンが集団でこどもを産み・育てる場所のことだ。ルッカリーでひしめきあったペンギンたちをひとめみてわかるのは、それが〈もふもふ〉しているということである。 ...
2016年2月25日木曜日
人外句境 34 [櫂未知子] / 佐藤りえ
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てのひらに蝌蚪狂はせてみたりけり 櫂未知子 幼い頃、屋敷といってよいぐらいの広い家に住む子の家に遊びに行った。敷地のなかにある池には毎春蛙がたくさん卵を産む。それを引きずり出しては遊び、生まれたおたまじゃくしをつかまえては遊び、していた。たくさんいれば、蝌蚪を捕まえる...
2016年2月23日火曜日
フシギな短詩4[松本てふこ]/柳本々々
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不健全図書を世に出しあたたかし 松本てふこ 「不健全図書」って、フシギな名詞だ。 《誰》にとって〈不健全〉なんだろう。 そもそも〈健全〉と〈不健全〉をわける境界線はなんだろう。だれが、それを決めるのだろう。 でも、語り手は、みずからが出版した「図書」が...
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