およそ日刊「俳句新空間」
-BLOG俳句新空間‐編集による日替詩歌鑑賞
今までの執筆者:竹岡一郎・仮屋賢一・青山茂根・黒岩徳将・今泉礼奈・佐藤りえ・北川美美・依光陽子・大塚凱・宮﨑莉々香・柳本々々・渡邉美保
2017年2月28日火曜日
フシギな短詩88[丸山進]/柳本々々
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あなたから見ても私は変ですか 丸山進 現代川柳を考えようとしているときにいつも丸山さんの川柳は私にとってのひとつの指標になっている。 今回の記事はこの文にふたたびかえってくることができたら終わりにしようと思う。 《 現代川柳を考えようとしているときにいつも丸...
2017年2月24日金曜日
フシギな短詩87[富野由悠季]/柳本々々
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悲しいけどこれ戦争なのよね 富野由悠季 ガンダムをつくったアニメ監督・富野由悠季さんには独特な言い回しからなる「 富野ゼリフ(富野節) 」というものがある。 たとえば映画『劇場版 機動戦士ガンダムⅢめぐりあい宇宙(そら)編』のなかでジオン公国軍の...
2017年2月21日火曜日
フシギな短詩86[永井一郎]/柳本々々
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ナウシカ役の島本須美さんの「うれしいの」を聞いたとき、この作品も島本さんも成功すると確信しました。 永井一郎 『サザエさん』の波平の声でも有名だった俳優・声優の永井一郎さんが書いた本に『朗読のススメ』がある。そのなかで永井さんは役をつかむポイントとして、そのキャラク...
2017年2月17日金曜日
フシギな短詩85[くんじろう]/柳本々々
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新月をまさぐったのはムーミンパパの方 くんじろう ムーミン谷は記号学のようなところがある。ムーミンたちは記号の差異によって成立している。たとえばムーミンパパのシルクハットやムーミンママのエプロン、スノークのお嬢さんの前髪、署長さんの制服。 裸にしてし...
2017年2月14日火曜日
フシギな短詩84[鳥居]/柳本々々
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町角のポストのなかに隣り合うかなしい手紙やさしい手紙 鳥居 この歌のなかでは「かなしい手紙」と「やさしい手紙」が「隣り合う」ことによって、「かなしさ」だけでも「やさしさ」だけでもない不思議な空間が「ポストのなか」につくられている。 それが「かなしみ」と「やさし...
2017年2月12日日曜日
広渡敬雄句集『間取図』ー感性と観察眼に裏打ちされた描写力ー 豊里友行
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郭公や雲を離るる小海線 なんか好きなリズム で観察眼にも流れる 威風堂々とした格調高さ に舌を巻く。 小海線(こうみせん)は、山梨県北杜市の小淵沢駅から長野県小諸市の小諸駅までを結ぶ東日本旅客鉄道(JR東日本)の鉄道路線(地方交通線)。郭公(かっこう)のドラ...
2017年2月10日金曜日
フシギな短詩83[筒井祥文]/柳本々々
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こんな手をしてると猫が見せに来る 筒井祥文 祥文さんの句で注意してみたいのが、カテゴリーに対する敏感さだ。「こんな手をしてると猫が見せに来」たわけだが、ここではいくつかのカテゴリーミステイクが起こっている。 「こんな手をしてる」のを見せたいという...
2017年2月7日火曜日
フシギな短詩82[新宿歌舞伎町俳句一家屍派]/柳本々々
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歌舞伎町っていうのは一個の理由、集まる理由になる 北大路翼 2017年1月31日NHKのハートネットTVで「これは新宿・歌舞伎町で俳句を詠む人たちの物語です」として「新宿歌舞伎町俳句一家屍(しかばね)派」が放送された。 その番組冒頭、屍派「取り纏...
2017年2月3日金曜日
フシギな短詩81[尾崎放哉]/柳本々々
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咳をしても一人 尾崎放哉 自由律俳句ってなんなんだろうと時々考えるのだが、次の上野千鶴子さんの言葉にひとつのヒントがあるような気がする。 放哉もある時期までは順当にエリートコースを歩んできた人ですよね。捨てて、捨てて、捨てて、捨てきったはずなのに、言葉...
2017年1月31日火曜日
フシギな短詩80[R15指定]/柳本々々
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水晶の 玉をよろこびもてあそぶ わがこの心 何の心ぞ 石川啄木 *今回は本文もR15指定です。 城定秀夫監督の『 悲しき玩具 信子先生の気まぐれ 』という映画がある。婚約者がいながらも夜な夜なテレフォンセックスをし、学校では...
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