およそ日刊「俳句新空間」
-BLOG俳句新空間‐編集による日替詩歌鑑賞
今までの執筆者:竹岡一郎・仮屋賢一・青山茂根・黒岩徳将・今泉礼奈・佐藤りえ・北川美美・依光陽子・大塚凱・宮﨑莉々香・柳本々々・渡邉美保
2017年3月30日木曜日
フシギな短詩97[大川博幸]/柳本々々
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あやふやなものがあって確かめたらあやふやだった 大川博幸 石寒太さんが『俳句はじめの一歩』という本のなかでこんなことを書かれている。 私の先生の加藤楸邨も、「俳句はもののいえない文学」と、はっきりいっています。 ( 石寒太『俳句は...
2017年3月26日日曜日
フシギな短詩96[石田柊馬]/柳本々々
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妖精は酢豚に似ている絶対似ている 石田柊馬 不思議な句だ。 「絶対」とは言いながらも、その「絶対」を言ってしまったがために、「絶対」が〈絶対〉をくつがえしてしまっている。 いったい私はなにを言っているのか。 つまり、こういうことだ。《...
2017年3月23日木曜日
フシギな短詩95[うんこ漢字ドリル]/やぎもともともと
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うんこにも羽が生えたらいいのに。 『うんこ漢字ドリル』 文響社から先日刊行された革命的な漢字ドリルに『うんこ漢字ドリル』がある。 なんとすべての書き取りの例文が〈 うんこ 〉をめぐって書かれているのだ。たとえば、 出席番号順にうん...
2017年3月20日月曜日
フシギな短詩94[正岡子規]/柳本々々
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脳のなかがもうもうと霧がたちこめたようになってぼんやりと座ったまま眠るでもなく覚めているでもない。自分で言ったわけでもなくひとが言ったわけでもなく、ただ、「かえるが飛び込んで水の音がした」が耳に響いてくる。それは、もう、俳句だった。 正岡子規(拙訳:柳本々々) ...
2017年3月16日木曜日
フシギな短詩93[ドラマ『相棒』]/柳本々々
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愛は時に人に勇気を与えます。しかし愛は時に人を臆病にもします。 杉下右京 *『相棒』第3話「晩夏」と『鉄鼠の檻』のネタバレがあります。 テレビ朝日のドラマ『相棒』第3話「晩夏」には三田佳子演じる女流歌人・高塔織絵が出てくる(なぜ〈女流小説家〉とい...
2017年3月13日月曜日
フシギな短詩92[夏石番矢]/柳本々々
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立入禁止・かんらからから・Coca-Cola 夏石番矢 夏石番矢さんの編著に『現代俳句キーワード辞典』(立風書房、1990年)という、俳句を季語ではなくテーマごとに分類したアンソロジーがある(実はこの本は生駒大祐さんに教えていただいた)。「キーワード辞典...
2017年3月10日金曜日
フシギな短詩91[加藤知子]/柳本々々
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海峡の白菜割って十二階 加藤知子 ふだん〈俳句を読まない〉人間が〈俳句を読む〉ということの難しさを考えたときに、その難しさは、〈季語〉にあるのではなく、実は〈切れ〉にあるのではないのかと思うことがある。 わたしたちはふだん本を読むときに、テレビを...
2017年3月7日火曜日
フシギな短詩90[堂園昌彦]/柳本々々
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君もあなたもみな草を見て秋を見て胸に運動場を宿した 堂園昌彦 堂園さんの短歌で少し考えてみたいのが、語りの速度のスローな感覚である。どうして堂園さんの短歌を読むと語りの速度がゆるやかに、遅くなっていくのを感じるんだろう。 別のことばでこんなふうに言...
2017年3月3日金曜日
フシギな短詩89[竹井紫乙]/柳本々々
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階段で待っているから落ちて来て 竹井紫乙 竹井紫乙さんの川柳のなかでは、誰かと、誰でもいいのだけれど、誰かとつながることは〈身体感覚〉そのものではないかと思うことがある。 たとえば掲句。「待っているから落ちて来て」という。「待って」くれてはいる。しか...
2017年2月28日火曜日
フシギな短詩88[丸山進]/柳本々々
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あなたから見ても私は変ですか 丸山進 現代川柳を考えようとしているときにいつも丸山さんの川柳は私にとってのひとつの指標になっている。 今回の記事はこの文にふたたびかえってくることができたら終わりにしようと思う。 《 現代川柳を考えようとしているときにいつも丸...
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