およそ日刊「俳句新空間」
-BLOG俳句新空間‐編集による日替詩歌鑑賞
今までの執筆者:竹岡一郎・仮屋賢一・青山茂根・黒岩徳将・今泉礼奈・佐藤りえ・北川美美・依光陽子・大塚凱・宮﨑莉々香・柳本々々・渡邉美保
2017年9月30日土曜日
超不思議な短詩232[伴風花]/柳本々々
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恋人じゃないきみからの『おやすみ!』はみているだけのお菓子のように 伴風花 伴風花さんの歌集『イチゴフェア』は、歌集のタイトルのとおり、さまざまな食べ物がレトリックとして出てくる。 きみから『おやすみ!』のメールをもらっても、「きみ」は「恋人じゃない」ので〈食べ...
超不思議な短詩231[人体の構造と機能]/柳本々々
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心臓は胸部の中心、左右の肺の間にあり、成人の握りこぶし大の大きさである。また心臓は4弁・4室からなり、体循環から静脈血は右心房へ戻り、三尖弁と呼ばれる房室弁を通り右心室、肺動脈弁から肺へ。肺循環を終えた動脈血は左心房へ戻り、僧帽弁を通り左心室、大動脈弁から全身へと血流を維...
2017年9月29日金曜日
超不思議な短詩230[江國香織]/柳本々々
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身も世もなく恋をした果ての結婚も なんとなくなりゆきで 気がついたらしていた結婚も結婚で 世界じゅうに結婚が あふれ返っているのでした たとえばこの あかるい夏の夕暮れに 江國香織「世界じゅうに結婚が」 江國香織さんの詩を読んでい...
2017年9月24日日曜日
超不思議な短詩229[京極夏彦]/柳本々々
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せをはやみ岩にせかるゝ瀧川の、思ふ男はーーおまへならでは。 京極夏彦 京極堂シリーズには、カバーの折った部分(前袖)に、かならずその物語全体にかかわるエピグラフがかかげてあるのだが、『絡新婦の理』のエピグラフが冒頭の歌である。 瀬をはやみ岩にせかるる滝川の...
2017年9月23日土曜日
超不思議な短詩228[ドラゴンクエスト]/柳本々々
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ぎこそざだ とてつちにひふ へねてとだ ぢりび ふっかつのじゅもん「ドラゴンクエスト」 現在ゲームはオートセーブ機能があって突然アプリが終了してしまってもゲームが勝手に事前にセーブしてくれていたところから進めることができる。だから何かの事態が起きてもそこまで頭をかか...
2017年9月21日木曜日
超不思議な短詩227[レイモンド・カーヴァー]/柳本々々
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夫婦はパン屋に押しかける。そして彼らは互いの苦しみを夜があけるまで語り合う。そして、彼らは《ある種の》救済へと到達するのだ。 村上春樹 村上春樹はレイモンド・カーヴァーの短編「ささやかだけれど、役にたつこと」についてこんな解説を書いている。 夫婦はパン屋に...
2017年9月20日水曜日
超不思議な短詩226[千葉雅也]/柳本々々
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ツイッターの一四〇字以内というのも、短歌の五七五七七やフランス詩の一二音節も、非意味的切断による個体化の「原器」であると言えるでしょう。 千葉雅也 千葉雅也さんの『動きすぎてはいけない』という本は、すごく乱暴に簡略に(かつ私が理解できた範囲で)言えば、現在のなんにで...
超不思議な短詩225[石川美南]/柳本々々
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村を捨てた男の家はこの冬より民俗資料館へと変はる 石川美南 石川さんの短歌にとっては、テキスト(文字/文章/資料/書物/物語)と生世界の交渉がとても大事なテーマのように思う。 掲出歌。それまで生活空間として生きられていた「男の家」は、「民俗資料館」という読みとら...
2017年9月19日火曜日
DAZZLEHAIKU11[西原天気]渡邉美保
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空港に靴音あまた秋澄める 西原天気 「空港に靴音あまた」と言われると、素直にそうだと思ってしまう。至極当然のことなのに、はっとするものがある。 秋になり、空気が澄み、遠方の山や木々がよく見えるようになる季節、「秋澄める」である。どこか遠い所へと、旅に出...
超不思議な短詩224[芝村裕吏]/柳本々々
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ゲームって、究極的に言えば、絵を描くというか、写生の一つなんです。 芝村裕吏 去年、ながや宏高さんとお話したときに、ながやさんが短歌=定型詩とゲームの関係について話されていて、そうかあ、ゲームの箱庭的な部分と定型詩と いうのは似ているのかもしれないなあと思った覚え...
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