テント張る男言葉を投げ合って 朝田海月
「第12回龍谷大学青春俳句大賞 高校生部門入選作」より。
男言葉とわざわざ書いているからには女子の行動だろう。骨組みの設定、危うい足の動き、しっかりと支える手という様々な注目ポイントがあるなか、見事スポットライトが当たったのは言葉であった。「俺に任せろ」「おいそれをよこせ」「がっってんだ」…現代の高校生の句と考えると上記のような言葉は古すぎるかもしれないが、威勢と調子の良さからむくむくとできあがるテントを想像させて楽しい。
と思ったら、堀下翔氏より連絡があり、この句にはなんと岡本眸の先行句があるらしい。
キャンプ張る男言葉を投げ合ひて 岡本眸
確かに、平成26年としてはキャンプよりもテントであってほしい。高校生に天晴れという気持ちである。