およそ日刊「俳句新空間」
-BLOG俳句新空間‐編集による日替詩歌鑑賞
今までの執筆者:竹岡一郎・仮屋賢一・青山茂根・黒岩徳将・今泉礼奈・佐藤りえ・北川美美・依光陽子・大塚凱・宮﨑莉々香・柳本々々・渡邉美保
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斉藤斎藤
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2017年9月30日土曜日
超不思議な短詩231[人体の構造と機能]/柳本々々
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心臓は胸部の中心、左右の肺の間にあり、成人の握りこぶし大の大きさである。また心臓は4弁・4室からなり、体循環から静脈血は右心房へ戻り、三尖弁と呼ばれる房室弁を通り右心室、肺動脈弁から肺へ。肺循環を終えた動脈血は左心房へ戻り、僧帽弁を通り左心室、大動脈弁から全身へと血流を維...
2017年9月20日水曜日
超不思議な短詩226[千葉雅也]/柳本々々
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ツイッターの一四〇字以内というのも、短歌の五七五七七やフランス詩の一二音節も、非意味的切断による個体化の「原器」であると言えるでしょう。 千葉雅也 千葉雅也さんの『動きすぎてはいけない』という本は、すごく乱暴に簡略に(かつ私が理解できた範囲で)言えば、現在のなんにで...
2017年9月11日月曜日
超不思議な短詩213[永井祐]/柳本々々
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あの青い電車にもしもぶつかればはね飛ばされたりするんだろうな 永井祐 永井祐さんの短歌の特徴に試行されたコミュニケーションの厳しい断絶というものがあるんじゃないかと思っている。 例えば掲出歌。「あの青い電車」に語り手は「ぶつか」ることを試行するのだが、それは「は...
超不思議な短詩212[宮柊二]/柳本々々
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ひきよせて寄り添ふごとく刺ししかば声も立てなくくづをれて伏す 宮柊二 穂村弘さんの解説がある。 「ひきよせて」は、戦闘の一場面と読める歌。感情語を排した動詞の連続が緊迫感を伝える。 (穂村弘『近現代詩歌』) 穂村さんの「動詞の連続」という指摘が面...
2017年9月9日土曜日
超不思議な短詩209[小野茂樹]/柳本々々
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あの夏の数かぎりなきそしてまたたつた一つの表情をせよ 小野茂樹 たくさんで、それでいて、たったひとつの表情をしろ、という不思議な歌だ。ヒントは、「あの夏」だ。この「あの夏」を知っている人間は、その矛盾した複雑な表情ができるのだ。たぶん「した」ことがある人間だから。こ...
2017年8月31日木曜日
続フシギな短詩189[与謝野鉄幹]/柳本々々
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われ男の子意気の子名の子つるぎの子詩の子恋の子あゝもだえの子 与謝野鉄幹 この歌に関して、穂村弘さんが面白い解説を書かれている。 鉄幹の「われ」は、その弟子世代の「われ」と較べても、あまりにもダイナミックかつ多面的、しかも引き裂かれていて把握が難しい。 ...
2016年10月21日金曜日
フシギな短詩51[斉藤斎藤]/柳本々々
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船のなかでは手紙を書いて星に降りたら歩くしかないように歩いた 斉藤斎藤 昔、小高賢さん編集の『現代の歌人140』(新書館、2009年)でこの一首に出会った。「歩くしかないように歩いた」が印象的でずっと覚えていたのだが、今回斉藤斎藤さんの新刊の歌集『人の道、死ぬと町』で...
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