およそ日刊「俳句新空間」
-BLOG俳句新空間‐編集による日替詩歌鑑賞
今までの執筆者:竹岡一郎・仮屋賢一・青山茂根・黒岩徳将・今泉礼奈・佐藤りえ・北川美美・依光陽子・大塚凱・宮﨑莉々香・柳本々々・渡邉美保
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関悦史
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2017年10月13日金曜日
超不思議な短詩239[野口る理]/柳本々々
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チャーリー・ブラウンの巻き毛に幸せな雪 野口る理 前にも書いたが、俳句とは、世界のアクセスポイントをさぐる試みでもあるのではないかと思っていて、たとえば、 おおかみに蛍が一つ付いていた 金子兜太 本の山くづれて遠き海に鮫 小澤實 「おおかみ...
2017年9月17日日曜日
超不思議な短詩223[さやわか]/柳本々々
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コンピュータゲームとはもっとも素朴な形に還元すると「入力すると反応がある」ということである。 さやわか ゲームと俳句の話が続いているのでせっかくなのでもう少し冒険して続けてみようと思う。さやわかさんがゲームの本質について次のように語っている。 ゲームの本質...
2017年9月1日金曜日
続フシギな短詩192[小澤實]/柳本々々
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「はい」と言ふ「土筆摘んでるの」と聞くと 小澤實 前回、金子兜太さんの句のアクセスポイントの話で終わった。 おおかみに蛍が一つ付いていた 金子兜太 古代のWi-Fiのように「おおかみ」に「蛍」が「一つ付」くことで、「おおかみ」と「蛍」がイーブンになり...
2017年3月13日月曜日
フシギな短詩92[夏石番矢]/柳本々々
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立入禁止・かんらからから・Coca-Cola 夏石番矢 夏石番矢さんの編著に『現代俳句キーワード辞典』(立風書房、1990年)という、俳句を季語ではなくテーマごとに分類したアンソロジーがある(実はこの本は生駒大祐さんに教えていただいた)。「キーワード辞典...
2017年3月10日金曜日
フシギな短詩91[加藤知子]/柳本々々
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海峡の白菜割って十二階 加藤知子 ふだん〈俳句を読まない〉人間が〈俳句を読む〉ということの難しさを考えたときに、その難しさは、〈季語〉にあるのではなく、実は〈切れ〉にあるのではないのかと思うことがある。 わたしたちはふだん本を読むときに、テレビを...
2016年8月9日火曜日
フシギな短詩30[田島健一]/柳本々々
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噴水の奥見つめ奥だらけになる 田島健一 ずっと、田島健一さんの俳句をフシギだなあと思っていた。《どう》理解すればいいんだろうと。今回はこの問いからはじめてみたい。 ここでひとつ大きな補助線を引こう。 ひらく雛菊だれのお使いか教えて 田島健一 ...
2016年3月4日金曜日
フシギな短詩6[関悦史]/柳本々々
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テラベクレルの霾る我が家の瓦礫を食へ 関悦史 「霾(つちふ)る/土降る」は春の季語だ。春風によってもうもうと土やほこりが舞っている。それを〈つちふる〉という。 ところがその季語が、放射性物質の飛散によってリスキーな季語になっている。春を感じることが、どうじに、...
2016年2月29日月曜日
またたくきざはし 10 [関悦史] 竹岡一郎
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人類に空爆のある雑煮かな 関悦史 金、暴力、この二つは古来から「この世の君」即ち悪魔の王国を支える双柱であると、若い頃は思っていた。しかし、つまるところは一本である。本来、金が悪いわけではない。それが暴力という色彩を帯びるとき、人間を容赦なく卑しめる。歴史を繙けば明...
2016年2月12日金曜日
フシギな短詩1[御中虫]/柳本々々
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こんな日は揺れたくなるなと関は言った 御中虫 2011年から5年が経った。〈関悦史〉さんがさまざまな位相で揺れ続ける御中虫さんの句集『関揺れる』。たとえば掲句のように、だんだんと〈震災の揺れ〉そのものの意味はゲシュタルト崩壊し、フィクショナルなものへと移行していく...
2015年8月20日木曜日
またたくきざはし3 [関悦史] / 竹岡一郎
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誰よりの電話か滝の音のみす 関悦史 電話が鳴ったので、取ったのだが、声がない。もしもしと問いかけても返事がない。ただ滝の音だけが延々と聞こえてくるのである。これが4分33秒続けば、ジョン・ケージの最良の曲となろう。 滝が電話を掛ける訳はないので、向こうに...
2015年5月8日金曜日
今日の関悦史 2 /竹岡一郎
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玉菜二個「われら死者のみにて生きん」 慄然とするのは、中七下五の台詞部分である。この作者の場合、どこかからの引用ならば、必ずその旨を併記するから、この括弧書きの部分は作者の言であろう。ただ、括弧書きによって、作者の思いではなく、第三者の台詞という設定で書かれている...
2015年4月26日日曜日
人外句境 15 [関悦史] / 佐藤りえ
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少女みな軍艦にされ姫始 関悦史 『艦隊これくしょん』というブラウザゲームがある。プレイしたことがないので以下、すべて伝聞となる。 ゲームの内容は大日本帝国海軍の艦艇を集め、艦隊を強化しながら敵と戦闘し勝利を目指す、というものである。 これだけ書くと「戦争シミュレ...
2015年4月13日月曜日
今日の関悦史 1 /竹岡一郎
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官邸囲み少女の汗の髪膚ほか 関悦史 「ケア 二〇一四年六月三〇日・七月一日」(「週刊俳句」第376号、2014年7月6日) より。 集団的自衛権反対デモに取材した十二句の連作の一句である。こういう社会運動を描写した作品は、私の属する結社「鷹」では親しいもので...
2015年4月5日日曜日
今日のクロイワ 21 [関悦史] / 黒岩徳将
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布団の横白馬現れ消えにけり 関悦史 常套な読み方としては、布団に潜っている人の夢の中に白馬が…と思ったのだが「横」に引っかかった。白馬なので、足音はしないと感じた。また、白馬は何匹が出入りしている気がする。寝苦しいのか、それとも意外にすやすや眠れるのか。 筆者の...
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