およそ日刊「俳句新空間」
-BLOG俳句新空間‐編集による日替詩歌鑑賞
今までの執筆者:竹岡一郎・仮屋賢一・青山茂根・黒岩徳将・今泉礼奈・佐藤りえ・北川美美・依光陽子・大塚凱・宮﨑莉々香・柳本々々・渡邉美保
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KitagawaBibi(北川美美)
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2021年2月16日火曜日
DAZZLEHAIKU52[北川美美] 渡邉美保
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囀りの後の羽音と枝の揺れ 北川美美 庭の白梅が咲き始めると鳥たちがやって来る。チチチ、チュチュチュ…まだ冷たい朝の空気の中、鳥たちの羽音や鳴き声で目が覚める。 〈囀りと聞きとめしとき目覚めけり 林翔〉 その声を聞きながら、しばしまどろむ。早春の朝のたの...
2016年4月24日日曜日
黄金をたたく30 [桑原三郎] / 北川美美
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生涯の顔をいぢつている春よ 桑原三郎 「春よ」としたことで、春の歓喜を詠っていると解せる。冬の間の強張った顔がやわらぐ季節に顔をいじる。おそらく他者の顔ではなく自分の顔。鏡を見ずに眉や鼻や頬、髪や髭をいじるのであれば、何か考え事をしているとき、というのが大筋だけ...
2016年4月17日日曜日
黄金をたたく29 [桑原三郎] / 北川美美
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鉛筆は地獄を書いてゐたりけり 桑原三郎 小学校入学の式典を終えた女の子がやってきて、ほぼ空っぽのランドセルにひとつだけ入っていた筆箱の中身を見せてくれた。未使用の削ったばかりの鉛筆、赤鉛筆、消しゴムが綺麗に並んでいた。児童、生徒、学生というのは、やはり鉛筆を使...
2016年4月10日日曜日
黄金をたたく28 [桑原三郎] / 北川美美
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春闌けて落ちるおちると川の水 桑原三郎 春爛漫の頃、花々や鳥たちが賑やかになり心落ち着かなく、外へ出たいと思うようになる。その頃は同時に水を感じる季節でもある。すべてが清々しく、あぁ春だと思う。掲句は春の中にいる作者に虚しく映っている水の景である。大自然の摂理の中に...
2015年11月13日金曜日
黄金をたたく27 [西東三鬼] / 北川美美
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水枕ガバリと寒い海がある 西東三鬼 出世作、そして三鬼が俳句に開眼した有名句である。読むほどに大胆。三鬼句の魅力は直観の鋭さと予測できない大雑把な感覚表現にあると思う。 「水枕」と「寒い海」の取り合わせが相当衝撃な上、「ガバリ」が飛びぬけて唐突だ。水が大きな音...
2015年11月1日日曜日
黄金をたたく26 [矢上新八] / 北川美美
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行秋やこないなとこに人の家 矢上新八 過ぎ去って行く秋の景に、人家をみつけた。「こないなとこ」の大阪・京都あたりの関西弁が面白い。はんなりとした響きがある。しかし、繰り返し読み続けると、移り変わる季節、その次に世の中の殺伐とした全体の景が浮かび、その風景の中にいる「こ...
2015年10月24日土曜日
黄金をたたく25 [宮崎斗士] / 北川美美
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スプーン並べる間隔いつのまにか秋 宮崎斗士 英語のスプーン(spoon)はオランダ語(spaaon)、ドイツ語(span)と同じく木の切れ端、もしくは木の裂いたものという意味が語源だそうだ。ちなみにフランス語のスプーンにあたるものは、キュイエール(cuiller)で、...
2015年10月16日金曜日
黄金をたたく24 [飯田冬眞] / 北川美美
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時効なき父の昭和よ凍てし鶴 飯田冬眞 作者の父上にとっての「昭和」、それも「時効がない」。無期限の探し物あるいは喪失感、何か背負っているものが終らない気配がある。昭和を生きた父上の世代。おそらく戦前のお生まれで戦中、戦後を生き抜いてこられた世代だろう。何があっても身...
2015年10月9日金曜日
黄金をたたく23 [杉山久子] / 北川美美
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秋天やポテトチップス涙味 杉山久子 ポテトチップスは身近な乾き物(といってよいのか)である、口淋しいときにポテトチップスが小腹を満たしてくれる。こだわりのある作者であれば、ポテトチップスの新作味は相当試されているのではないかとすら想像できる。男梅味、夏塩風味、BBQ、...
2015年7月24日金曜日
黄金をたたく22 [池田澄子] / 北川美美
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プルヌス・フロリドラ・ミヨシに間に合いし 池田澄子 些か時期的に遅い掲出になってしまったが、豈57号で気になっていた句である。知識が無い上で鑑賞してみると、この「プルヌス・フロリドラ・ミヨシ」が謎である上、眼目である。何故これが気になるのか…、それは、語感、音感なのだ...
2015年6月26日金曜日
黄金をたたく21 [松岡貞子] / 北川美美
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風に吹かれて蜘蛛来るあなたの耳もくる 松岡貞子 耳は詩になる身体部分なのだろう。私の耳は貝の殻…のあの一節を思い、そう思う。 Mon oreille est un coquillage Qui aime le bruit de la mer ( Jean C...
2015年5月13日水曜日
黄金をたたく20 [金原まさ子] / 北川美美
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塩漬の牛肉(ぎゅう)をください十字切る 金原まさ子 映画『ゲルマニウムの夜』(原作:花村満月)は、少年が殺人を犯し、警察の手の届かない修道院へ戻り、教会で殺人の告白をするシーンから始まる。そこに雪の中を走る黒い牛たちが映る。映画・小説ともに、暴力・セックス・同性愛を通...
2015年5月1日金曜日
黄金をたたく19 [利普苑るな] / 北川美美
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是非もなく長女なりけり梅を干す 利普苑るな 長女の重圧が伝わってくる。作者はそれを否応なしに受け入れざるおえず、日本の伝統保存食、梅干しを作っている。多分、子供の頃より自分の立場をわきまえて我慢してきた人とご苦労を感じる。「おねえちゃんなんだから」という声がいつも頭に...
2015年4月24日金曜日
黄金をたたく18 [高橋修宏] / 北川美美
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和を以てなお淫らなるさくらかな 高橋修宏 桜とはだいたい淫らな感じと思っるので掲句はツボにはまる。日本国の象徴でもあり、国が栄えるということの目出度い雰囲気のある花、日本人の精神性に置き換えられるといわれている桜である。 その桜、そしてそれを愛でる人達も含み、ややアイ...
2015年4月18日土曜日
黄金をたたく17 [竹岡一郎] / 北川美美
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はつこひに蓮見のうなじさらしけり 竹岡一郎 「蓮見のうなじ」とくると、襟を抜いた妖艶な着物(あるいは湯上りの浴衣)姿の女性が浮かぶ。「うなじ」は女性のセックスアピールの箇所で男性が見てゾクっとくる視覚的な箇所。「はつこひ」の頃の無知だった自分の恋に自分の性的うなじ...
2015年4月10日金曜日
黄金をたたく16 [遠山陽子] / 北川美美
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老人を老犬が曳く桜かな 遠山陽子 桜前線が北上している。Facebook、Twitterなどを通じての桜を見ていると、東京の桜がことさら豪華に見えるのはやはり、鑑賞用のソメイヨシノが江戸の発祥で、江戸期の河川の整備にともない桜、柳が植えられたことに起因しているように思...
2015年4月6日月曜日
黄金をたたく15 [上野ちづこ] / 北川美美
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不機嫌である特権 娘たちに 上野ちづこ 特に春を詠む句ではないが、春の気分に相応する。吹き出物が出る思春期はとうに過ぎても、我慢していたことが突出するような感情は、ことさら春に出やすいのではないか。ネガティブな感情は押し殺すべきだ、と思えば思うほど不機嫌になる。娘たち...
2015年2月27日金曜日
黄金をたたく14 [和田悟朗] / 北川美美
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春の気と春の水あり池をなす 和田悟朗 気と水。 気は見えない。しかし、集合体となり凝固して可視的な物質となり、万物を構成する要素とする解釈がある。水は液状のものの全般であり、日本語では湯に対比して使われる。池は溜まるものであり、窪みがないと溜まらない。地形を成すこと...
2015年2月21日土曜日
黄金をたたく13 [橋閒石] / 北川美美
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陰口もきさらぎ色と思いけり 橋閒石 色名から色調を想像するのは楽しい作業である。一斤染、紅梅色、裏柳、若竹色、青丹、松葉色…色名と数々の色彩を眺め、色と親しむ。しかし、日本伝統色の慣用名に「きさらぎ色」というは実在していない。想像での「きさらぎ色」は、薄萌黄色、裏葉色...
2015年2月16日月曜日
黄金をたたく12 [三橋敏雄] / 北川美美
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かもめ来よ天金の書をひらくたび 三橋敏雄 輝かしくそして勇気づけられる一行の詩。七十年を経てもまったく古びない言葉の贈り物。 原句は昭和十二年四月「句と評論」に入選の〈 冬ぬくき書の天金よりかもめ 〉が初出。このとき敏雄十六歳。その後掲句の姿に改作の後、昭和十六年刊...
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