およそ日刊「俳句新空間」
-BLOG俳句新空間‐編集による日替詩歌鑑賞
今までの執筆者:竹岡一郎・仮屋賢一・青山茂根・黒岩徳将・今泉礼奈・佐藤りえ・北川美美・依光陽子・大塚凱・宮﨑莉々香・柳本々々・渡邉美保
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渡邉美保
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2026年4月1日水曜日
DAZZLEHAIKU87[松下カロ] 渡邉美保
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いもうとに触れて壊れるしやぼん玉 松下カロ 春の温かい日差しのもと、庭でしゃぼん玉遊びに興じる幼い姉妹の、ほほえましい、そして懐かしい光景が目に浮かぶ。石鹸水に浸したストローを吹くと日の光を受けた美しい泡の玉が空中を浮遊する。姉が吹くしゃぼん玉に大はしゃぎの妹の愛らし...
2026年1月31日土曜日
DAZZLEHAIKU86[望月士郎] 渡邉美保
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遠く海鳴りきっと鯨の幻肢痛 望月士郎 「幻肢痛」とは、事故や病気で手足などを失った後も「ないはずの手足」に痛みや痺れ、痒みなどを感じる現象という。決して気のせいではなく実際に痛みがあり、その原因は脳にあるという。 さて掲句。遠くの海鳴りはきっと鯨の幻肢痛だという断定。...
2025年11月22日土曜日
DAZZLEHAIKU85[北大路翼] 渡邉美保
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メンチ揚げ続く銀杏降り続く 北大路翼 給食調理員となった作者の給食俳句日記である。一学期、二学期、三学期の章ごとに一年間の、その日の給食の献立と短文、俳句が一句書かれている。読み進むうちに、もう大人になってしまった我が家の子どもたちの小学生のころことや、給食に関するやり...
2025年10月1日水曜日
DAZZLEHAIKU84[仲寒蟬] 渡邉美保
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芋虫と同じもの食ふ昼下り 仲寒蟬 芋虫はキャベツやブロッコリー、茄子、青菜類を食べるというから、確かに私たちは芋虫と同じものを食べている。 昼下りのランチ、しゃれた盛付けのサラダを食べていて、ふと「芋虫と同じもの」を食べていると気づく瞬間を想像してみると、ドキッ...
2025年8月30日土曜日
DAZZLEHAIKU83[しなだしん] 渡邉美保
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熱出してゐるやうなかほ羽抜鶏 しなだしん 鳥類の羽は六月から晩夏にかけて冬羽から夏羽へと抜け替わる。この頃の羽の整わない鳥を羽抜鳥というそうだ。鶏などは晩夏のころが多いようであるが古い羽が抜けて、新しい羽の生えそろうまではみすぼらしい姿となるという。その羽抜鶏...
2025年6月9日月曜日
DAZZLEHAIKU82[ふけとしこ] 渡邉美保
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夕顔別当薄闇に翅使ふ ふけとしこ 「夕顔別当」という美しい名前にふと立ち止まった。夕顔別当とはどういう役職?どういう人物?源氏物語の「夕顔」と関係あるの?などと素朴な疑問。その夕顔別当が薄闇に翅を使うというのは一体・・・。 広辞苑によると「夕顔別当」は...
2025年3月3日月曜日
DAZZLEHAIKU81[中村堯子] 渡邉美保
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海苔炙る裏返したき雲もあり 中村堯子 「海苔」は新海苔の収穫期が春先ということで、春の季語になっている。「海苔炙る」という情景はとてもなつかしい。ガス火ではどうも炙りにくく、 我が家では、電熱器(電気コンロ)を使っていた。電熱器に近づけすぎると焦げるので、少し遠火で炙る...
2025年1月28日火曜日
DAZZLEHAIKU80[嵯峨根鈴子] 渡邉美保
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ひろびろとつかふ夜空や六の花 嵯峨根鈴子 「六の花」は雪の異称。六角状に結晶する形から六の花(むつのはな)、六花(りっか)などと呼ばれる。 さえぎるもの何ひとつない、広くて深い夜空から雪が降る。雪はゆったりと間隔を大きくとりながら、地上へと降りてゆく。そして雪の結晶は、徐...
2024年10月23日水曜日
DAZZLEHAIKU79[桑原三郎] 渡邉美保
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草虱妹の手の邪険なる 桑原三郎 「草虱」は、夏に白い小さな花をつけ、秋になると棘上の堅い毛が密生した実を結ぶ。この実が道行く人の衣服や動物につき、くっつくと取りにくいので藪虱あるいは草虱と呼ばれるという。 草虱を衣服にいっぱいつけて帰ってきた兄と、出迎えた妹と...
2024年9月2日月曜日
DAZZLEHAIKU78[広渡敬雄] 渡邉美保
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かさぶたのいつしか剥がれ夜の秋 広渡敬雄 「かさぶた」についての情報はなにも語られていないのだけれど、かさぶたが出来、それが乾ききって剥がれるまでの鬱陶しさはよくわかる。かさぶたは周囲から徐々に乾いていくと、つい、乾いた部分をはがしたくなる。かさぶたを少しずつ剥...
2024年7月31日水曜日
DAZZLEHAIKU77[和田悟朗] 渡邉美保
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みみず地に乾きゆくとき水の記憶 和田悟朗 真夏の灼けたコンクリートの上で干乾びたみみずを見かけることがある。完全に乾ききって黒ずんでしまったみみずもいれば、半身は干乾びつつも残りの半身はまだ生々しい皮膚のままのみみずもいる。そんな時は、水分をたっぷり含んだ柔らかい土...
2024年4月10日水曜日
DAZZLEHAIKU76[土井探花] 渡邉美保
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花の陰ぼくはゆつくり退化する 土井探花 桜は美しく咲き満ちているのだけれど、樹下はうっすらと影を帯び、蒼ざめていたり、灰色だったりする。花の間から透かし見る空もまた薄青い。人影のまばらな静かな花の陰に坐る、あるいは横たわる。目を瞑る。桜の持つ神秘的な力を浴びながら...
2024年2月27日火曜日
DAZZLEHAIKU75[柴田多鶴子] 渡邉美保
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春を待つ赤肌さらすバクチの木 柴田多鶴子 「これ、バクチの木よ」と教えてもらい驚いたことがある。目の前の高木は、誰かが無理やり樹皮を剥がしたかのように、赤黄色の木肌がむき出しになっている。灰褐色の樹皮は、たえず自然にはがれ落ちるのだという。樹皮あっての幹ではな...
2024年1月23日火曜日
DAZZLEHAIKU74[久保田万太郎] 渡邉美保
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冬の虹湖の底へと退りけり 久保田万太郎 冬の雨のあがった後の空に、思いがけずにかかる虹にはっとすることがある。冬の淡い日ざしにうっすらとかかる虹は、やさしく儚げで、いつまでも心に残る美しさがある。 掲句、前書きに[昭和35年12月1日、その地にくはしき山田抄太郎君に...
2023年10月28日土曜日
DAZZLEHAIKU73[杉山久子] 渡邉美保
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こつとんと月見の舟のすれちがふ 杉山久子 「こつとん」のかそけき音のみが聞こえる。そのあとおとずれる何とも言えぬ静寂な空気。ここは一体どこなのか。 すれ違う月見の舟には誰が乗っているのだろうか。 「月見の舟」という言葉から、中秋の名月か、あるいはその前後。都塵を離れた静かな湖...
2023年8月26日土曜日
DAZZLEHAIKU72[鈴木六林男] 渡邉美保
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海底に未還の者ら八月は 鈴木六林男 「お尋ね申します。トラック島はこっちの方角でしょうか」 小説『姉の島』(村田喜代子著)の一節に、軍服を着た若き幽霊が、海底でアワビ採りをしている海女に、話しかけてきたという場面がある。 「・・・トラック島は日本海軍の基地じゃった。戦後、...
2023年7月26日水曜日
DAZZLEHAIKU71[三好つや子] 渡邉美保
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私を旅する水よ合歓の花 三好つや子 私たちの体のおよそ70%は水でできているそうだ。そして、その水は動いている。絶え間なく流れている。この流れこそが命を支えているという。その水が、まさしく「私を旅する水」なのだろう。 暑い中を帰り来て、よく冷えた一杯の水を飲む。水は...
2023年6月27日火曜日
DAZZLEHAIKU70[山西雅子] 渡邉美保
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水筒の中にゆふやけ子は育つ 山西雅子 夕焼けをたっぷり浴びて帰ってきた子が目に浮かぶ。真っ黒に日焼けした野球少年かもしれない。帰宅した子に手渡される空っぽの水筒。少年のお供の水筒もまた、夕焼けをたっぷり浴びてきたのだ。水筒の中にはまだ夕焼けが詰まっている気配。子供たち...
2023年4月21日金曜日
DAZZLEHAIKU69[森賀まり] 渡邉美保
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空豆を人買ひをれば我も買ふ 森賀まり スーパーの店先に数人が頭を寄せ合っているのが目に入った。大箱の中に空豆がどっさり入っていて、空豆の「詰め放題」だという。どれだけ多く入れようと一袋の値段は変わらないのだ。皆嬉しそうに袋に空豆を詰めている。私も即参加。所定の袋をもらい、...
2023年2月23日木曜日
DAZZLEHAIKU68[小林成子] 渡邉美保
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羽ばたくも潜るも一羽風光る 小林成子 いつも通る散歩コースに小さな川がある。きれいに整備された川ではないので、岸辺には破けたビニール袋やごみ類が溜まっていたりする。川底も決してきれいとは言えない状態なのだけれど、川には、青鷺や白鷺がときおり飛んできて漁をする。いつも見...
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