2015年6月14日日曜日

今日のクロイワ 26 [岡田一実]  / 黒岩徳将



虹立ちて虹の消えざる来世は嫌   岡田一実

句の方向性としては希望を疑わず、現在の世界の輝きを望んでいるのだが、虹が立っているときに消える想像をしてしまうというネガティブさに共感を覚える。下五の「来世は嫌」を軽く流すか、重く受け止めるか、その二つで読みが変わってくる。誰かの落とすぽつりとした呟きにその人の本質的な何かが潜んでいるのかもしれない。 「境界-border-」より。