およそ日刊「俳句新空間」
-BLOG俳句新空間‐編集による日替詩歌鑑賞
今までの執筆者:竹岡一郎・仮屋賢一・青山茂根・黒岩徳将・今泉礼奈・佐藤りえ・北川美美・依光陽子・大塚凱・宮﨑莉々香・柳本々々・渡邉美保
2014年10月17日金曜日
今日の小川軽舟 11 / 竹岡一郎
踊子がポケットに入れくれしもの 「近所」
高野素十の「づかづかと来て踊り子にささやける」を勿論、意識しているだろう。素十の句では奔放なのは男だが、掲句で奔放なのはむしろ女の方である。踊る途中の瞬く間に、僅かな動作で呉れたのだ。踊子の、やや強引な、颯とした仕草が見えるようだ。お侠(きゃん)な踊子であれば言うことはない。
踊子は何を呉れたのだろう。ポケットに入る物だから、ちょっとした好意の品であろう。踊り子に対する者が子供か、大人かで呉れる物も違ってくる。平成元年作。
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